急な発熱や嘔吐などが起こったら、
まずは風邪を疑いそうなところですが、
もしかしたら髄膜炎かもしれません。

髄膜炎は重症化しやすく
また、重症化してしまうと後遺症が残ったり命に関わる危険もある病気です。

細菌性髄膜炎の治療にステロイドが使われることがありますが、
ステロイドは感染症を悪化させてしまう副作用があるのに、なぜ使われるのでしょうか。

髄膜炎の症状や予防法などとともにご説明します。

髄膜炎とは

2016-10-09b

髄膜炎とは、
脳や脊髄の表面をおおっている髄膜が細菌ウイルス感染し、
炎症を起こしてしまう病気です。

発熱や持続する頭痛意識障害
けいれんなどが急性に現れた場合は
細菌性髄膜炎ウイルス性髄膜炎の可能性があります。

結核性・真菌性髄膜炎では、
これらの症状が細菌性やウイルス性に比べて慢性的に出ます。

髄膜炎は、進行すると深い意識障害やけいれんをおこし、
危険な状態になってしまう恐ろしい病気です。

特に肺炎球菌による細菌性髄膜炎は、
早い段階で髄膜炎だと診断することも難しい上、
かかると治療も困難で重症化しやすい病気です。

細菌性髄膜炎の初期症状は、
発熱や嘔吐など、風邪の症状とよく似ているため、
病気の発見が遅れることがあります。

診断されたときには
病気がかなり進行してしまっているということも少なくありません。

さらに最近では
抗菌薬が効きにくくなっている菌が増えてしまっているため、
治療がむずかしくなってきています。

また、髄液や脳は体の奥の方にあるので、
薬がうまく届きにくいです。

そのため、細菌性髄膜炎にかかると
重症化することが多く、命に関わることもあります。

細菌性髄膜炎にかかりやすいのは
生後6か月から2歳くらいまでの小さな子供です。
かかってしまうと、知能障害難聴
発達の遅れなどの重い後遺症が残ってしまうこともあります。

髄膜炎について分かりやすく解説されています。

髄膜炎の治療になぜステロイドが使われるの?

細菌性髄膜炎の治療には抗菌薬はもちろんですが、
それと併用して副腎皮質ステロイドが使われることがあります。

ステロイドは感染症を悪化させる副作用がありますが、
細菌性の髄膜炎にステロイドが使われるのはなぜでしょうか。

髄膜炎では、細菌を攻撃するために炎症反応が起こっています。
この炎症反応が細菌だけど攻撃すればいいのですが、
自分の体も攻撃してしまっているのです。

この炎症が、細菌に感染していることよりも
自分の体にダメージを与えてしまっている場合があります。
これを防ぐために、抗炎症効果のあるステロイドが使われるのです。

しかし、ステロイドは感染症を悪化させる可能性があるので、
ステロイド単独での使用はせず、必ず抗生剤を併用します。
ステロイドの併用で発熱期間、難聴の発生が減少したという報告があります。

髄膜炎の治療と入院

髄膜炎は後遺症などが残ったり、
命に関わる危険もある病気なので、
髄膜炎の可能性がある場合には入院して検査、治療をすることがほとんどです。

髄膜炎の検査は、血液検査に加え、
腰から髄液を抜いて髄液検査を行います。

髄液の状態や増殖している細胞の種類、
ウイルスの有無などを調べ、
ウイルス性細菌性かなどの原因を特定します。

ウイルス性髄膜炎と診断された場合は、
ウイルスに対する特効薬がないため、
嘔吐や下痢がひどければ点滴で水分補給をし、
症状が悪化するのを防ぐ対症療法をしながら経過観察をすることになります。

細菌性に比べ、重症化することは少ないです。

細菌性髄膜炎の場合は、
すみやかに細菌にあわせた抗生物質が投与されます。
入院して2〜3週間は抗生物質を投与し続け、
定期的に血液検査や髄膜検査をします。
前述のように、ステロイド剤を投与することもあります。


入院期間はもちろん個人差がかなりありますが、
症状が落ち着いていても点滴などをしながら安静にし、2週間は入院することが多いです。


初期症状は風邪と似ているため、
髄膜炎と診断されたときには
症状がかなり進行してしまっていることも多く、注意が必要です。

日ごろからできる対策

細菌性髄膜炎には、ワクチンが何よりも効果的です。
生後2か月からワクチンを接種できるので
2か月になったらすぐに接種し、感染を予防しましょう。

細菌性髄膜炎は0歳児が最もかかりやすく、
また、かかってしまったときに重症化し、
後遺症が残ったり、ときには命に関わることもあります。

とにかく早めに、忘れずに予防接種することがカギです。
細菌性髄膜炎の主な原因菌である
ヘモフィルス・インフルエンザ菌(ヒブ)肺炎球菌からの感染を防ぐことが重要です。


また、おたふく風邪などの合併症として髄膜炎を発症することもあります。
受けられる予防接種は受けておいた方が安心です。

それ以外に日ごろからできる対策としては、
手洗いやうがいといった感染症予防の習慣である程度は防ぐことができます。


危険な髄膜炎に感染するリスクを少しでも下げるために、
毎日のうがい手洗いをしっかりと行いましょう。
手洗いの跡に消毒をすると、より効果的ですよ。

ワクチンについては、こちらの記事も参考にしてみてください(*^^*)

まとめ

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重症化しやすく後遺症なども残る可能性のある髄膜炎は、
予防接種を必ず受けてかからないように注意しましょう。

細菌性の髄膜炎にはステロイド剤が投与されることもあります。
これは髄膜が過度な炎症を起こしてしまっているのを抑制するために使われています。


子供は発熱しやすく、
熱があるからといって恐い病気とは限りませんが、
少しでも様子がおかしいと感じたらすぐに病院へ行きましょう。

もし、髄膜炎だった場合は、とにかく早い治療がカギとなります。

また、抵抗力の弱い子供がかかりやすい病気ではありますが、
大人でも十分かかってしまう可能性があります。

発熱嘔吐などがあったら、
ただの風邪と油断せずに、まずは病院を受診しましょう。