子供によく見られる、ほっぺが真っ赤になる病気、りんご病。
このりんご病は、大人でも感染します。
そして、大人が感染した場合は、
子供の頃の症状よりも何倍もつらい状態になることが多いのです。
今回は、大人のりんご病の注意点などについて、ご説明します。
りんご病のおさらい
まず、りんご病がどんな病気かを、おさらいしておきましょう。
りんご病の原因となるウイルスは、「ヒトパルボウイルス」というもの。
また、りんご病というのが正式名称ではなく、
正しくは「伝染性紅斑」という名前で呼ばれます。
つまり、紅斑が出る、伝染する病気という意味ですね。
その紅斑が顔に丸く出やすいため、
果物のりんごを連想し、りんご病という通称で呼ばれるようになりました。
りんご病にかかると、まず、頬や全身に赤く大きな発疹が出ます。
そして、一般的には発熱しますが、発熱しないケースもあるようです。
このりんご病は、一度感染すると終生免疫ができるため、
子供の頃に感染していれば、それからは感染することなく過ごすことができます。
しかし、インフルエンザや水疱瘡などの、
その他の伝染病に比べると感染力が弱いため、
一度も誰にもうつされずに大人になってしまったという人も少なくありません。
大人がかかるとこんなにヒドイ!
大人になるまでりんご病にかかる機会が無ければ、
病気に対する免疫がありませんので、
近くにりんご病のウイルスを持っている人がいた場合、感染する可能性があります。
そして、感染してしまった場合は、
子供のりんご病よりも症状が重くなることが多いと言われています。
子供の場合は数日で症状がおさまりますが、大人はそうは行きません。
発熱も高く出ますし、それが下がった後も、
関節痛や全身倦怠感、そして湿疹などが続くようです。
この症状の強さには個人差がありますが、
人によっては、歩くことがつらいくらいの関節痛や、
日常生活に支障が出るほどの倦怠感を感じることもあるようです。
しかも、りんご病はウイルス性の病気ですから、
身体が痛くてもだるくても特効薬はありません。
鎮痛剤などで対症療法を行うしかないのです。
一般に、どんな病気でも子供の方が重症化しやすく、
大人は体力があるから症状が軽くなるイメージがありますが、
りんご病のように、その真逆となる病気もあるのです。
特に気を付けたいのは、妊婦さん!
大人のりんご病のつらさは先ほどご説明しましたが、
それは言ってしまえば本人が我慢すれば良いものとも言えます。
実は、本当にりんご病に気を付けなければいけないのは、
お腹の中にもう一つの命が宿っている、妊婦さんです。
妊婦がりんご病に感染すると、
ヒトパルボウイルスは胎盤を通して赤ちゃんにも感染してしまい、
発育途中の赤ちゃんの身体に、様々な悪影響が出てしまいます。
例えば、血液のもととなる細胞を破壊して胎児貧血を引き起こしたり、
胎児の身体に水が溜まってしまう、胎児水腫の原因になったりもします。
このような状態になると、
赤ちゃんは無事に産まれてこられる可能性が激減してしまい、
7割くらいの赤ちゃんが、流産、もしくは死産となってしまうそうです。
外出の際は必ずマスクをしましょう。
りんご病だけでなく、他のウイルスや大気汚染の予防にもなりますよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今年は、りんご病の当たり年と言われています。
都内を中心に、各地で流行が見られているそうです。
この流行は、もちろん子供の間だけではありません。
大人の感染者数も同じくらい増えており、
そして本文でもご説明したような症状に苦しむ人が多くなっているのです。
周囲に感染者数が多いということは、
免疫を持たない妊婦さんにも感染するリスクが高くなるということ。
妊婦さんのりんご病は、赤ちゃんが無事で済むケースの方が少ないため、
感染経路を完全にシャットアウトする必要があります。
もし、りんご病にかかった記憶が無くて、
現在妊娠しているという人は、なるべく外出などを避け、
止むを得ない外出時はマスクやうがい、手洗いを徹底するようにして下さいね。