リウマチ熱という病気があります。
リウマチという名前が付いているようにリウマチ熱はリウマチと似ていますが実は少し違う病気です。

リウマチ熱は溶連菌という細菌の感染によって自己免疫疾患に陥ったものなのです。
自己免疫疾患は花粉症などのアレルギーと原因は似ていますが攻撃先は自分自身である事が違います。

リウマチ熱とは

リウマチ熱とはA群β溶血性連鎖球菌という菌に感染する事で発症する病気です。
このA群β溶血性連鎖球菌は一般には溶連菌と呼ばれる菌ですが、
この菌に感染すると様々な症状を発症します。

これを溶連菌感染症と呼び、
リウマチ熱はその溶連菌感染によって発症する自己免疫疾患なのです。

溶連菌に感染すると最初は風邪に似た症状を発症する事が多く、
その他にも扁桃腺炎全身発疹などの症状を発症したりします。

この溶連菌感染症が進行した場合に発症する事があるのが
リウマチ熱や急性糸球体腎炎、心炎などです。

これらの合併症は免疫システムである抗体が自分の関節や腎臓、
心臓の弁などを溶連菌と見誤って攻撃してしまう事から起こる症状とされていて、
リウマチ熱の場合立ち上がる事も出来ないほどの痛みに襲われる事もあります。

症状自体は自然回復しますが、この抗体が作られてしまう事で溶連菌に感染すると
同じ症状を併発する事になってしまうため感染予防に抗菌剤を長期処方する事になります。

リウマチ熱を防ぐには溶連菌感染症を発症した時点で抗菌剤の投与を行い、
早めに根治する事が大切です。


リウマチ熱とリウマチは原因が特定出来ているかいないかの他に、慢性化するかどうかに違いがあります。

自己免疫疾患とは

自己免疫疾患とは自分の免疫機能が自分の身体の成分を攻撃するという病気です。
なぜそんな事になってしまうのかというと、
身体は自分以外の物質が入り込む事を嫌ってそれを排除する活動をしているのですが、
自分の身体ではない物質がなかなか排除出来ないとその物質に対して攻撃するための専門の抗体を作ります。

この抗体が自分の中にある成分に対して作られてしまう事で発生するのが自己免疫疾患なのです。

普通は自分と自分以外の物を識別する仕組みが働くのですが、
何らかの原因でその判別が上手くいかずに
自分の中の成分を排除物質と認識してしまうという事が起こり
それによって抗体が作られてしまうと、
自動的にその抗体の認識した成分が攻撃されるようになります。

代表的な自己免疫疾患に橋本病やバセドウ病、
アジソン病や、膠原病と呼ばれている関節リウマチやシェーグレン症候群などがあります。

アレルギーと自己免疫疾患の違い

アレルギー反応は抗体が異物とみなした抗原を追い出す時に起こる症状です。
自分とは違う物を排除しようとする身体の仕組みが抗体を作る事は述べましたが、
その作用によって作られた抗体はその抗原専用の物となります。

また、異物として認識した物に対して抗体を作るかどうかは個人差があります。
本来人間には自然免疫という機能があり、これが働いてる間は抗体は作られません。

しかし、自然免疫で対応が出来ないと判断された場合に抗体が作られます。
この抗体を獲得免疫と言い、特定の抗原に対して自動的に攻撃するようになります。

アレルギー反応と自己免疫疾患は共に免疫によって
異物とみなされた物を排除しようとする作用ですが、
アレルギー反応は外から入って来る異物に対して抗体が働く事によって引き起こされ、
自己免疫疾患は内側の自分自身の成分を異物とみなして排除しようとして発生します。

リウマチ熱と抗体

リウマチ熱は溶連菌が感染した時にだけ発生する病気なので
慢性リウマチと比べると軽い病気のように思われますが、
この病気の問題は溶連菌に対して抗体が作られてしまう事にあります。

実は溶連菌は人の身体に普通に生息している菌であり、
普段は鼻とか口の中などに存在しています。

身体にいると言ってもこれらの溶連菌は身体の表面にいるだけで体内に入り込んでいる訳ではありません。

また、普通は体内に入り込んでもすぐに排除されるのですが、
身体が弱っている時などに感染症を起こす場合があります。

この時初期の段階で抗菌剤で完全に駆除してしまえば
自然免疫で終わり抗体は作られませんが、
抗菌剤の投与をせずに長引いてしまうと抗体が作られてしまいます。

そうなるとこの溶連菌が身体に入り込むたびに身体の似た組織である関節や腎臓、
心臓の弁なども攻撃されるようになってしまうのです。

このため抗体を作ってしまった人は抗体が働かないように
ペニシリンなどを摂取し続ける治療を受ける事になってしまいます。

抗体というのは時によって本当に厄介なものなのです。