完全に野菜のみの食事をする主義をヴィーガンと言いますが、
日本ではまだこのような食生活を送る人が少なく、それに合った料理をするのも一苦労だそうです。
そんなヴィーガンの人が美味しく食べられるような日本食に、おでんがあります。
この機会に、ヴィーガン向けのおでんの作り方を知っておきませんか。
ヴィーガンの定義
ヴィーガンとは、ベジタリアンと混同されがちですがそれとはまた違う主義を持つ人を指します。
ヴィーガンは絶対菜食主義とも言われていて、植物性の食品しか口にしないというスタイルを持ちます。
一般のベジタリアンの間でも禁じられている肉や卵、魚などだけではなく、
乳製品やはちみつ、そして動物のたんぱく質が原料となるゼラチンも摂取しません。
この思想の元となるのは自分の健康ではなく、動物愛護の精神や宗教的なものなどです。
そのため、ヴィーガンは食事だけではなく、衣類や住環境においても動物性の製品を使わないことを徹底している人も多いそうです。
でも、日本ではまだまだヴィーガン向けの食事や衣類を提供しているお店や会社が少なく、
ヴィーガンの中には食事や衣類を手作りするという人も少なくありません。
ヴィーガンでも食べられるおでんの具
日本では「ヴィーガン用」という名目の製品は多くないものの、
昔から食べられている「精進料理」はたくさんあります。
そのため、具材、出汁、調味料全てを植物性のものだけで構成した料理レシピは探せば意外にあるものです。
その中でも、冬に美味しいおでんは、少し工夫すればまさにヴィーガン向け。
例えば、おでんの代表的な具である大根、こんにゃく、焼き豆腐または厚揚げ、もち巾着。
地域性もありますが、ところによってはよく入れられるフキや細竹、ジャガイモ。
最近登場したものにはトマトやアボカドなどもあります。
これらを昆布や干し椎茸で取った出汁、醤油やみりんで味付けしたり、
甘味噌を付けたりすれば、ヴィーガン向けの美味しいおでんになります。
次項で詳しいレシピをお伝えしますね。
ヴィーガンおでんの作り方(作りやすい分量)
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土鍋に出汁昆布2~3枚(そのまま具として食べる場合は結び昆布がおすすめ)、
軽く洗った干し椎茸を4枚ほど入れて、鍋の6分目くらいまで水を入れて半日~一晩置く。 -
土鍋を火にかけ、薄口醤油、みりん、砂糖、塩でお好みの味に味付けする。
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下ゆでした大根と皮をむいたじゃがいも、トマト、豆腐や厚揚げ、下処理したこんにゃくやしらたきなど、お好きな具材を食べたいだけ入れる。
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火が通るまで煮たらいったん冷まし、食べる際にもう一度加熱して熱々のうちに食卓へ。
※味噌おでんにしたい場合は、出汁の味付けを薄めにします。
味噌だれは、味噌・砂糖・みりんを同量ずつフライパンに入れ、木べらで混ぜながら煮詰めるだけで作れます(*^^*)
食事制限についてはこちらの記事もご参考に!
おでんのコツまとめ
以上の作り方の中で、覚えておきたいコツが何点かあります。
まず、じゃがいもは煮崩れしにくいメイクイーンなどを使います。
お出汁にみりんを多めに入れるとじゃがいもの身が締まって更に煮崩れしにくくなります。
大根は面取りし、十字に隠し包丁を入れることで煮崩れしにくくなり、味がしみやすくなります。
また、米のとぎ汁で下ゆですると白く、えぐみの少ない味に仕上がります。
こんにゃくは表面に細かい格子状の隠し包丁を入れましょう。
噛み切りやすく、味をよく含むようになります。
基本的に下ゆでした方が良いですが、下ゆで不要と書かれているものは軽く水で洗うだけで使えます。
植物性の食材だけでも複雑なうま味を出せるように、
トマトも入れているレシピにしていますが、トマトは煮ると酸味が出るので、
苦手な人はみりんや砂糖で甘みを強めに付けると良いでしょう。
また、お出汁に使った昆布と干し椎茸はそのまま具として使えるので、
形のしっかりしたものを使うと見栄えが良いです。
つつきながら楽しみながら食べるのもアリですよね(*^^*)
さいごに
日本でも少しずつ増え始めているヴィーガン。
今後はヴィーガン食の需要がもっともっと増えることが予想されます。
あなた自身がヴィーガンでなくても、もしかしたら誰かを食卓にお招きして、
ヴィーガン食を作る場面に行き当たるかもしれません。
そんな時のために、ヴィーガンを守る人もそうでない人も、誰もが美味しく、
喜んで食べられる食事をサッと作れるようになってみてはいかがでしょうか。
本文中で紹介したおでんの他、こんなアップルパイをデザートに出してみてはいかがでしょうか。
食生活の多様化が進む今、自分と違う食のスタイルにもスマートに対応できるようになれればとても素敵ですよね。