おたふく風邪は耳の下あたりが腫れる病気です。
そのまま顎の下まで腫れて喉痛いと感じるようになる事もあるようです。
しかし、おたふく風邪で目が痛いという事はあまりなく、
目が充血しているようなら他の病気を疑うべき時もあります。
おたふく風邪の症状は特徴がありますが、案外と診断が難しい病気です。
おたふく風邪とは
おたふく風邪はムンプスウイルスの感染症で、
晩冬から早春に多く発症する病気です。
感染するのは主に集団生活を始める時期の小児で、
一度感染すると免疫が出来る為、その後の感染はほとんど無いとされています。
大人になってから感染すると症状が重篤化しやすく、
更に男性なら精巣、女性なら卵巣に異常が発生する事があるので、
未予防接種、未感染の場合には流行時期には注意が必要となります。
症状としては耳の下にある耳下腺と呼ばれる場所が腫れる事が多く、
おたふくというお面がありますが、そのお面のように顔の下部分が腫れ上がる外見から
おたふく風邪と呼ばれるようになったようです。
ほとんどは両方の耳下腺が腫れるのですが、
稀に片方だけが腫れたり、特に乳幼児などの場合は
腫れる事なく症状が治まったりする場合があるようです。
熱はあまり出ず、出ても3日程度で引く事が多く、
腫れ自体も約1週間から2週間程で完全に引くとされています。
潜伏期間は長めで2〜3週間となっています。
おたふく風邪の潜伏期間は、一般的に2~3週間程度、日数的には個人差はあるものの10日~20日程度の潜伏期間を得て症状を発症すると言われております。
— 大人のダイエット健康教室 (@ponsuke_LB) December 31, 2015
感染ったかどうかが分かるまでが結構長いですね。
おたふく風邪と間違われやすい病気
おたふく風邪は耳下腺が両方腫れた場合は分かりやすいのですが、
片方だけだったり、症状が出なかったりする場合もあり、
そんな時は症状からの判断がとてもむずかしくなります。
同じウイルス感染症であるアデノウイルスや
最近増えて来ているとされる原因不明の川崎病などは症状が多岐に渡り、
免疫反応が出る事から間違われやすい病気と言われています。
目が痛い、喉痛いなどの通常のおたふく風邪とは違う症状が続いたり、
高熱が3日以上続くようでしたら、詳しい診察を受けるようにした方が良いでしょう。
アデノウイルスは非常に種類が多く、
また、その病気の発現の仕方も様々で、なかなか診断が難しいようですが、
喉に腫れがある場合は喉粘膜からのウイルス採取からの特定が出来ます。
ただし、川崎病の場合は、
原因が分からない事からも分かるように、診断の決め手は症状にしかありません。
【《小児》川崎病の症状】
「真っ赤な完熟つぶつぶイチゴ,光の高校生」結膜充血・冠動脈病変・発疹・イチゴ舌・頚部非化膿性リンパ節腫脹・5日以上続く発熱・手足の硬性浮腫
★真っ赤な(充血)・冠じゅく・つぶつぶ(発疹)・イチゴ・ひかり(非化リ)・こう(5日)・こうせい(硬性)
— med_goro_bot (@mdgr_bot) January 3, 2016
川崎病は心不全を引き起こす事もある恐ろしい病気なので、
おかしいと思ったら早めにお医者さんに相談してみてください。
おたふく風邪についてはこちらの記事もご参考に!
川崎病とは
川崎病は1967年に小児科の川崎富作博士により発見、発表された病気で、
未だ原因不明とされている病気です。
発見者にちなんで川崎病と名付けられました。
発病者のほとんどは4才以下の子供とされていて、死亡率は0.05%と高くはありません。
病気の状態には急性期と後遺症があり、急性期の症状で病気が判断されます。
その症状は、38度以上の発熱が5日以上続く事、赤い発疹が全身に出る事、
両目が赤く充血する事、唇が赤く腫れたり荒れて出血し、
舌に赤いブツブツができたりする事、手足に腫れやむくみが生じ、
手のひらや足の裏が赤くなったり熱が下がってから手足の指先の皮膚の皮がむける事、
そして最後の1つが首のリンパ節が腫れる事となっていて、
この内5つ以上に当てはまるか、4つあてはまって冠動脈瘤がある場合に川崎病と診断されます。
後遺症で問題となるのがこの冠動脈瘤で、普通は自然に治まるのですが、
治る時にこの瘤の痕跡が血液の流れの障害になる場合があるのです。
冠動脈とは心臓の上を流れている動脈で、これが詰まると心臓が止まってしまいます。
とは言え、川崎病の冠動脈瘤が原因で心不全が起こる確立は前述したように低いものです。
怖い大人のおたふく風邪
大人のおたふく風邪は重症化しやすく、
更には不妊の原因になりやすいと言われています。
大人がおたふく風邪に罹ると、まずは高熱を出しやすいようです。
これは子供の時よりも外敵に対する抵抗力が上がっているせいで、
より激しくウイルスを攻撃するためと言われています。
自分の身体を守ろうとして逆に身体がダメージを受けるのですから皮肉ですね。
問題の合併症ですが、女性の場合は卵巣炎にはなりますが、不妊の原因にはなりません。
ただし、妊娠中に感染すると胎児が危険です。
男性の場合が問題で、耳下腺炎性睾丸炎という精巣の炎症が発生してしまう事があります。
これが実に20〜35%という高い確立で発病するのです。
これが片方だけに起こった場合はまだ良いのですが、
両方に発症すると無精子病になってしまう事があり、子供が作れなくなってしまいます。
大人のおたふく風邪はこのように恐ろしいので、
子供の頃におたふく風邪に罹らなかった方はワクチンを早めに接種しておいたほうが良いでしょう。
手が荒れない除菌スプレーもありますので、カバンに入れて持ち歩けて大変便利ですよ。