流行性耳下腺炎(おたふく風邪)はウイルス性感染症なので
細菌による感染とは違い、白血球数はほぼ正常値となります。

流行性耳下腺炎では合併症として髄膜炎を発症する場合もありますが、
この時も白血球数の上昇が無いので原因は流行性耳下腺炎と判断出来ます。

流行性耳下腺炎とは

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流行性耳下腺炎はムンプスウイルスによる感染症で、
通称としておたふく風邪と呼ばれています。

両耳の下が腫れてお多福さんと呼ばれるお面の顔のようになるので、
この通称で呼ばれるようになったようです。

ムンプスウイルスによる流行性耳下腺炎は生涯に1度罹るだけなのですが、
耳下腺炎自体は、何度も再発する可能性があります。

この再発する耳下腺炎を反復性耳下腺炎と呼びます。
この反復性耳下腺炎は流行性耳下腺炎よりも軽く、
また片側だけで終わる事が多いようです。

耳下腺は唾液を作る場所で、耳の下あたりにあり、
流行性耳下腺炎の場合はほぼ両側が腫れて顎の下や首が痛くなります。

ただ片方だけが腫れる事もあり、
この場合反復性耳下腺炎との区別が付き辛い事が多く、
診断に慣れた病院の先生でも判断に迷う事があるようです。

普通は幼稚園生や小学低学年ぐらいの時に感染して発病するのですが、
乳幼児の時に罹ると、症状が現れず、不顕性感染と言われる状態になり、
免疫だけ獲得している事もあるので、その事も診断を難しくしているのです。
なお、学校などへの出席停止期間は以下の通りです。

合併症が多い流行性耳下腺炎

流行性耳下腺炎は全身の合併症を起こしやすい病気ですが、
同時にそのほとんどが軽く、早めに沈静化する事でも知られています。

最もよく知られているのが髄膜炎で、
髄膜とは脳を包む膜の事で、これがウイルスにより炎症を起こします。

普通の髄膜炎は入院を伴う深刻な病気ですが、
流行性耳下腺炎の合併症として発症した髄膜炎は
重症化しない事がほとんどで、通院治療で様子を見る事が多いようです。

他には急性膵炎、睾丸炎、卵巣炎などが極僅かに発症しますが、
これも軽く、通常状態では、あまり心配する必要はありません。

ただ、大人が発症した場合には激症化して後遺症が残る事もあるので、
経緯を慎重に見守る必要があります。

これらの合併症で、問題があるのがまれに起こる聴力障害です。
片方の耳が聞こえづらくなったり、
聞こえなくなったりする障害が発生する事があるのですが、
一度この状態になると回復の見込みはほぼ無いと言われています。

流行性耳下腺炎で白血球数が増えないのはなぜ?

白血球は細菌や異物から身体を守る役割があります。
つまり白血球が増えるのは異物や細菌、
ウイルスなどから身体を守る為の作用です。

それなら当然ウイルス感染でも白血球は増えるはずですね。
では、なぜ流行性耳下腺炎と呼ばれているムンプスウイルス感染で
白血球は増えないのでしょうか?

実はウイルス感染でも白血球は増えているのですが、
その増えているのはリンパ球という抗体を司る物で、
こちらは増殖量があまり多くない為、そう増えているようには見えないのです。

しかし、細菌などを攻撃するのは直接攻撃を仕掛ける多核白血球、
いわゆる好中球の役割でこれは増える時はいきなり大量に増えます。

その為、細菌性の場合は白血球数が増大して見えて、
ウイルス性の場合はあまり増えているようには見えないのです。

流行性耳下腺炎のワクチン接種について

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流行性耳下腺炎(おたふく風邪)のワクチン接種は
現在任意で行われていて、接種するにはお金が掛かります。

何故かと言うと、このムンプスウイルスワクチン接種によって
抗体を獲得出来る確立がやや低い事、
更には前述した髄膜炎に一定の確率で罹る事がある事、
これらが足かせとなって、忌避されるようになったからです。

ただし、ワクチン接種なしで流行性耳下腺炎に罹ると、
子供の場合は難聴の危険が、大人の場合は無精子病の危険があるので、
それを避ける為に接種を勧めるお医者さんは多くいます。

ただ、先に述べたように抗体の獲得率が低い為、
出来れば2回接種が推奨されていて、
その辺りも少々予防接種を受けにくくさせている原因かもしれません。

また、流行性耳下腺炎は症状が発症しないまま
抗体を獲得している事が案外多い病気なので、
ワクチン接種以前に一度抗体検査を受けた方が良いでしょう。

ワクチンを摂取しても、していなくても
普段から手洗いうがいなどの対策は欠かさないようにしましょう。

殺菌消毒をしたり、徹底した予防で
ウイルスを近づけないようにしましょうね。

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