鼻風邪を引いて、治ったと思ったのに、今度は食べ物の味を感じない……
そういえば、匂いも感じない、という症状が出ることがあります。

風邪は治っているはずなのに、どうしてこんな症状になるのでしょうか。
今回は、風邪の後に味覚や嗅覚が失われるメカニズムについて、ご説明します。

急性副鼻腔炎は、突然嗅覚を奪う

急性副鼻腔炎は、
鼻の奥の副鼻腔という部分が炎症を起こし、化膿してしまう病気です。

症状としては、鼻水や鼻づまり、頭重感や頭痛、
そして嗅覚の衰えや口臭などが挙げられます。

これらの症状が長引くようなら、慢性副鼻腔炎、
つまり蓄膿症という病名が付きます。

急性副鼻腔炎が起こるきっかけは、
冒頭のご説明のように風邪から来るものだったり、
アレルギー性鼻炎から移行したり、
疲れで身体が弱って起こったりなど様々です。

この急性副鼻腔炎は、「急性」と付くことからわかるように、
気付いたら突然匂いが全くわからなくなるなどの症状が出ます。

何故かというと鼻の奥にある、
嗅粘膜という匂いを感知する粘膜が腫れてしまい、
正常に匂いを察知することができなくなるからです。

急性副鼻腔炎についてマンガで説明した動画があります。
短いですが、実に簡潔でわかりやすいですよ。

嗅覚と味覚の関連性

しかし、それで嗅覚がわからなくなるのは当然ですが、
味覚までおかしくなってしまうのは何故なのでしょうか。

それは、味覚と嗅覚には、密接なつながりがあるからです。
人は、舌で味を判断しているように見えますが、
実際には、全体的な味の要素の2割しか、舌では感知していないのです。

残りの8割が何かというと、それが嗅覚。匂いが、食べ物の味を感じる
上で大変大きなウエイトを占めているというわけです。

2割とはいえ甘い、しょっぱい、苦いなどの大まかな味は舌が感じ取りますが
それに加えて様々な風味を嗅覚で感じ取り、
「これはりんごの味」「これは醤油の味」などというように、
脳が認識するというメカニズムになっているのですね。

ですから、急性副鼻腔炎によって嗅覚を感じられなくなったとき、
味を構成する要素が2割しか残らないために、
匂いだけではなく味もしなくなったように思ってしまうのです。

急性副鼻腔炎の治療

急性副鼻腔炎は、
嗅覚や味覚の障害の他にも、たくさんの不快な症状が出る病気です。

そして、放っておくと慢性副鼻腔炎に移行して、
治療に長期を要するようになってしまう恐れがあります。

そうならないためにも、急性副鼻腔炎になってしまったら、
いち早い治療をするように心がけましょう。

治療としては、まず、鼻の中を吸引してきれいにしてから、
鼻腔と副鼻腔を広げるための薬を入れます。

そして、そこで抗菌剤を吸入させたり、膿を出す処置をします。
この膿を出す方法には何種類かありますが、目的は同じです。

副鼻腔は顔の内側に何か所もあるので、
どの副鼻腔が炎症を起こしているかでも、処置が変わってきます。

病院での処置をした後は、炎症の原因となっている細菌を殺菌するための、
抗生物質が処方されます。

これを飲み続けて、徐々に副鼻腔内の細菌を退治するのです。
このような処置を続ければ、通常なら数週間で完治します。
そうすれば、嗅覚や味覚も元に戻っていきます。

まとめ

2015-09-29c

いかがでしたでしょうか。急性副鼻腔炎のご説明と、
それによって味覚や嗅覚に影響が出る仕組みについてのお話でした。

急性副鼻腔炎は、副鼻腔に炎症が起こってはいるものの、
鼻息自体はちゃんと通る状態の場合もあります。

鼻がちゃんと通っているのに匂いを感じないなんて、
すぐには原因がわからなくても仕方がありません。

ですが、焦らず、急性副鼻腔炎の可能性を考えて、耳鼻科に診てもらいましょう。

もし耳鼻科へ行く暇がない場合は副鼻腔炎に聞く市販薬もありますので
まずはこういったもので対処し、時間ができたら耳鼻科へ行きましょう。

また、この急性副鼻腔炎は、軽ければ時間がかからずに完治しますが、
重症化していたり、炎症を繰り返して慢性副鼻腔炎になってしまった場合には、
手術が必要になることもあります。

ですから、急性副鼻腔炎かな?と思ったら、
なるべく早めに処置することが大切だと、覚えておいて下さいね。