風疹ウイルスには様々な遺伝子型があり、
現在流行している遺伝子型は過去の風疹ウイルスとは違います。

その為、過去の風疹ウイルスを元に作られたワクチンは
今の風疹ウイルスに効果がないのでは?という疑問を抱く方もいるようですが、
風疹ウイルスの場合、その血清は共通しているのでワクチンの効き目に問題はありません。

風疹ウイルスとは

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風疹ウイルスは感染症である風疹を引き起こすウイルスです。
流行時期は春先から夏頃で、
主に集団生活を始める小学生低学年時に罹る事が多いようです。

一度罹ってしまうと生涯二度と風疹に再び罹る事は無いとされていて、
その症状は他の感染症に比べると軽めであり、
発疹や発熱、そしてリンパ節の腫れが見受けられます。

潜伏期間は割合長めで2、3週間あり、
中には症状の出ないまま免疫が出来てしまう人も15%から30%程いるようです。

感染力は他の感染症と比べて低めで、
まれに合併症で脳炎などを発症する事を除けば、
危険度は低めのウイルスなのですが、
ただ、妊娠中の女性が感染すると、
胎児も感染し、先天性風疹症候群と言う難聴や心疾患、
白内障、更に精神や身体の発達障害などを引き起こす事があり、
妊婦に感染すると危険とされています。

予防接種を受けていてもいなくても妊婦さんは外出時にマスクを
必ず、つけるようにすることをオススメします。
街中へ出ると、様々なウイルスや空気中の汚れがあふれています。

風疹の予防接種の意味

子供時代になら軽く罹り、
免疫が出来ていればその後も問題のない風疹ですが、
免疫が無いまま大人になった場合、
女性は妊娠時期と風疹の流行時期が重なると胎児を危険に晒す事になってしまいます。

風疹に罹った人に近付かないでいれば罹らないと考えるかもしれませんが
風疹ウイルスの感染期間は発疹の出る2、3日前から始まり、
治ったと感じて更に5日後くらいまであるとされています。

つまり発症前の時期だと罹患者を見分ける方法がないのです。
更に言えば、発症せずに感染源とだけなっている人も前述の通り
15%から30%存在するという事で、自己防衛が極めてやり難い病気となっています。

その為、過去に風疹ウイルスに感染して免疫が出来ていない場合は、
妊娠する以前に予防接種を受けておく事が胎児を守る為に必要とされています。

更に予防接種も1回だけではその後ずっと感染から母体を守れるという訳ではありません。


その為、海外では予防接種を2回行うのが当然の国も多いようです。

風疹ウイルスの遺伝子型の意味

風疹ウイルスを遺伝子型で分けているのは
世界のどの地域でどのタイプの風疹ウイルスが流行しているかを確認して
その感染経路を知る為というのが大きいでしょう。

今判明している風疹ウイルスの遺伝子型は、
大きく二つの分岐群で大別されていて、
それぞれの中で更にいくつかの遺伝子型に分類されています。

日本は過去に1aウイルスという遺伝子型の風疹ウイルスが流行し、
現在の日本が予防接種に使っているワクチンはこの風疹ウイルスを元に作られています。

しかし、現在主に流行しているのが1E型や2B型の風疹ウイルスであり、
それ以前にも次々と流行する風疹ウイルスの遺伝子型は変化して来ました。

この現状に過去の風疹ウイルスを使ったワクチンが
今の風疹ウイルスに効果があるのか疑問視する方もいるようですが、
全ての風疹ウイルスの血清型は同一とされていて、
それを回避する風疹ウイルスは現在発見されていません。

つまり過去の風疹ウイルスを元にしたワクチンでも
他の遺伝子型の風疹ウイルスに対して効果があるのです。

一般の方から考える場合は、
遺伝子型は単にその痕跡を追う以外の意味は無いと思っておけば良いのではないでしょうか。

風疹が印象深いドラマ

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これは個人的な話ですが、
実は風疹については印象深いテレビドラマがあります。

それはNHKで昔放送されていた、
海外ドラマの刑事コロンボというミステリードラマです。

このドラマの中で、とある有名女優が殺人を犯すのですが、
彼女と被害者女性の間にはほとんど関わりあいがなく、
女優の殺人の動機が最初分からずに捜査が混迷をきたすのです。

しかし、実はこの被害者はこの女優の熱烈なファンで、
以前この女優がこの地方に来た時に
病気の体をおして彼女のサイン会に行き握手と抱擁、キスをした事があり
その事を再び来訪したこの女優に語るというシーンが冒頭にあり、
お察しの通りその病気というのが風疹で、
その女優はその以前の来訪の時に妊娠初期であり、
生まれた子供は障害を持って生まれたのです。

つまり被害者に悪意などなく無邪気にファンとして接した事こそが
女優にとっては生涯忘れえぬ悲劇を引き起こしたが為に、
彼女はその相手を殺害してしまったのです。

刑事コロンボは犯人に思わず同情してしまうような
動機も多い事が有名ですが、この話もまた、そういう話でした。
決して風疹に罹っている状態で妊婦さんに近付かないようにしたいものです。