高熱が出たと思ったら体中に発疹まで……。
こんな症状が出る場合は、もしかしたら風疹にかかっているかもしれません。
風疹は子供だけがかかると思っていませんか?
それは間違いで、抗体のない大人にだって感染するのです。
しかも、子供よりも恐ろしい症状を伴うことも。
今回は、そんな大人の風疹についてご説明します。
大人の風疹の症状
まず、大人の風疹の症状についてご説明します。
風疹は、風疹ウイルスによって起こる感染症で、
38℃以上の高熱が出たのち、全身に赤く小さな発疹が出ます。
それだけではなく、リンパ節が腫れて痛みを伴ったり、
関節痛なども表れることが多いようです。
また、大人の場合は、この症状が子供の場合よりも長引くのが一般的です。
上記の基本的な症状の他、
合併症や重症化のリスクは大人の方が高く、
感染者全員というわけではありませんが、
溶血性貧血や肝機能障害、脳炎、髄膜炎などの
重たい症状に移行してしまう恐れもあります。
こんな症状が出る事態になっては仕事を長期休まなければいけなくなったり、
風疹が治まった後も後遺症が残ってしまうかもしれないのです。
風疹の予防接種を受けていない世代は要注意!
この風疹ウイルスは一度感染するか、予防接種によって抗体が作られますが
一部の世代に、予防接種を受けていない人が数多く存在するようです。
そのため、その世代の人は、子供の頃に風疹に感染した経験が無ければ、
これからも風疹に感染する可能性があるということです。
その世代とは、昭和37年4月2日~昭和54年4月1日までに生まれた男性、
昭和54年4月2日~昭和62年10月1日までに生まれた男女を指します。
この世代は、予防接種の制度の頻繁な変更により、
学校で風疹の集団予防接種を受けていない人が存在することがわかっています。
また、昭和62年10月2日~平成2年4月1日生まれの人も、
自分が予防接種を受けているか確認しておきましょう。
この世代は、予防接種を受ける人は多かったものの、
受ける機会が無かった人や、
抗体ができないまま大人になってしまった人がいる可能性があります。
現在、その予防接種の空白期間とも言える時期に出生した人に向けて、
大人になってからでも予防接種を受けるようにすすめられています。
妊娠を考えている人、妊婦さんは特に注意が必要
まず、こちらの動画をご覧ください。
昨年の報道ですが、こちらによると、母体が風疹に感染したことにより、
障害を持って産まれてきた赤ちゃんの数が過去最多となったそうです。
これは、2013年の風疹の大流行と、
予防接種を受けていない世代が妊婦の多い年齢になっていたことにより、
生じたものと思われます。
妊婦が風疹に感染すると、
かなりの高確率で胎児に障害が発生するという統計があります。
どのような障害かと言うと、先天性の心疾患や視覚、聴覚障害、
心身の発達の遅れなどが見られるようです。
また、風疹の予防接種直後の妊娠も、同じく障害のリスクが生じます。
このため、妊娠を考えている人には、
予防接種をしてから2か月の間は避妊をするように指導されます。
ですが、女性なら、赤ちゃんが欲しいと思ったら、
なるべく早く授かりたいと思うのが本音ですよね。
ですから、自分に風疹の抗体が無いのではと思ったら、
子作りの予定を立てる前に、風疹の予防接種を受けに行くことをおすすめします。
外出時にはマスクをするなどして様々なウイルスから身を守りましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
大人の風疹の恐ろしさと予防接種の必要性、
そして、特に気を付けたい妊婦さんの風疹についてご説明しました。
あなたは、風疹の予防接種を受けたり、感染した記憶はありますか?
子供の頃のことだと、記憶にない場合も少なくないでしょう。
もし、自分で覚えていないのなら、ご自身の母子手帳を確認したり、
ご両親に聞いてみると良いでしょう。
それらの手段で確認できなくても、
病院に行けば、風疹の抗体があるかどうかを調べてくれます。
その結果を見て、これから予防接種を受ける必要があるのかを判断しましょう。
自分が苦しいのはもちろんのこと、
妊婦さんなら赤ちゃんにまで影響が出てしまう、風疹。
この機会に、自分の風疹抗体の有無を調べてみることをおすすめします。