ふたご座流星群はその母体がほぼ判明しています。
それは小惑星であるファエトンで、
本来彗星が母体となっている流星群の中では珍しい生い立ちの流星群と言えます。

この小惑星ファエトンの名前は
ギリシャ神話の太陽の息子から取られていて、
その逸話は流星群の母体となった星に相応しいものと言えるでしょう。

ふたご座流星群とは

2015-11-03b

何時頃からか、流星群がニュースに取り上げられるようになりました。
天文好きな人々にとって喜ばしい事に、
夜空を見上げて星を眺め、宇宙に想いを馳せる人々が増えているようです。

そんな人達にとって、
一定の周期で見る事の出来る天文ショーの1つが流星群です。

日食や月食は人気のある天体のショーですが、
特に皆既日食や月食となると数年に一度という希少性から
一生の内に数度見る事が出来れば良いという程度の本当に稀な遭遇でしかありません。

しかし、流星群は定期的に見る事が出来る物があり、
年に1回程の頻度で遭遇出来る、
宇宙との繋がりを確かめられる神秘的な存在です。

そんな流星群の中でも、ふたご座流星群は今世紀に入ってからは
安定して見る事が出来る流星群となり、三大流星群の1つとして知られています。

その上、最も星が綺麗に見えると言われる冬に降りそそぐ為、
美しい夜空を堪能出来る流星群でもあります。
時期としては12月の上旬から中旬に見る事が出来る流星群です。

冬はよく星が見えますので、
星座盤を見ながら他の星座も観察してみましょう。

小惑星ファエトンとは

小惑星ファエトンはふたご座流星群の母体として知られている惑星です。
ふたご座流星群はふたご座の方から星が流れてくるように見えますが、
実際は地球が太陽の周りを回る軌道上にある塵などが
地球にぶつかって来る現象で、この塵などは本来
彗星などの塵が、本体からはぐれて漂っている物であるとされています。

その為、流星群の母体となるのはそのほとんどが彗星なのですが、
ふたご座流星群はこのファエトンという小惑星の塵が母体となっているのです。

とは言え、小惑星から流星群となる程の塵が出るとは思えない為、
このファエトンは元は彗星だったのではないかと考えられています。

しかし、これは推測であり、その実証は得られていません。
地球の軌道上に塵があるという事は、
この小惑星ファエトンと地球の軌道は一部が重なっているという事です。

その他の流星群の元となる彗星も同じで、
軌道が重なる部分で流星群を見る事が出来るという訳です。

この為、いつかはこれらの彗星や星と地球が衝突するのではないか?
と考える人もいるようです。
実際にそのような事が起きる確率は限りなく低いとの事ですが、もちろん0ではありません。

ファエトンの伝説

この小惑星の名前となったファエトンは
ギリシャ神話の太陽神の息子から取られています。

このファエトンはギリシャ神話らしい栄光と
悲劇を伴った人生を生きたのですが、
数々の英雄に比べるとその心情はとても普通の少年らしく、
その一方でしでかした事は他の英雄達をも驚愕させるような物でした。

ファエトンは父の無い子供、
或いはエジプト王を父とする子供として育ちましたが、
母親から自分の本当の父は太陽神であると知らされます。

子供らしい自尊心から仲間たちにその事を話しますが、
信用してもらえず馬鹿にされてしまい、辛い子供時代を過ごす事となります。

やがて成長したファエトンが自らの父を確かめたいと母に申し出ると、
父の神殿に行けと言われ、苦労の末に太陽神の神殿に辿り着いて、
親子の名乗りを上げ、無事に太陽神が父である事を確かめられる事となります。

しかし、父である太陽神に願い事を聞かれた彼は、
馬鹿にした者達に自分が正しかった事を示す為に
太陽の馬車に乗りたいと言ってしまうのです。

父である太陽神は反対しましたが、
願いを叶える約束をしたため結局は乗せる事になり、
彼は馬車の制御を失って太陽で地上を焼き、
最後はゼウスに雷で撃ち落とされてしまいます。

そんな最期は流星となって亡くなった少年の名が
流星群の母体の星に付けられるとはなんとも皮肉な話ですね。

ギリシャ神話のファエトンにまつわる星座の話

2015-11-03c

ファエトンに纏わる星の話は実はこれだけではありません。
愚かなと言ってしまうには不憫な滅び方をしたファエトンですが、
彼には一人の親友がいました。

それが少年キグヌスです。
この親友は仲間にのけものにされていた
ファエトンの一番の理解者でしたが父親の事は信じていなかったようです。

その事を悔いた彼は、親友が沈んだエリダヌス河に駆け付けて、
親友を探し続けましたが見付ける事が出来ませんでした。

それでも延々とエリダヌス河を探し続けていた
彼の友情を尊しとしたゼウスは少年を白鳥座として天にあげたのです。

この物語に出てくるエリダヌス河というのは地上の河ではなく、星座の事です。

今でも彼は河の中の親友を探しているので、
白鳥座は河に首を入れた姿であり、首の所の光が薄いとされているそうです。